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  • 執筆者の写真永田公彦 (Kimihiko Nagta), Founder, NGP

待ったなしの環境問題とフランス人の生活スタイルの行方(講演レポート)




当事務所代表の永田公彦による「パリよりライブ中継シリーズ(主催:アンスティチュ・フランセ九州-沖縄) 」の第3回目セミナーが12月16日(水)に開催されました。

https://www.institutfrancais.jp/kyushu/agenda/la-crise-ecologique/


今回のテーマは、2015年のパリ協定とSDGs(持続可能な開発目標)採択以降に急激に進む環境問題への対応です。特に、フランスや欧州の市民の間で意識と行動がどのように高まっているか?これが政治や企業にどう影響を与えているか?今後、市民の生活スタイルはどう変遷するであろか?欧州と日本の間で、どのような課題取組みの相乗効果が期待できるか?を中心に、特別ベストの後藤敏彦氏(サステナビリティ日本フォーラム代表理事)と参加者を交え活発に意見交換がなされました。


当日は、冒頭に、同セミナーを主催するアンスティチュ・フランセ九州-沖縄のフランク・ボルジアニ館長による今回のテーマの主旨紹介があり、その後、永田がレクチャーに移りました。


まず、人々の自然観について、西洋のものは、日本のものと比べどう異なり、歴史の中でどう変遷したかを解説しました(古代ギリシャ、キリスト教の影響、近代合理哲学の影響から現在まで)。


次に、フランスにおいて市民が環境政策づくりの主役になりつつあること(気候市民会議等)、またこれを取り巻く政治(EU、政府、地方自治体)と産業界(経営者団体、企業)の動きを解説。その後、各種調査データに基づき市民の環境問題に対する意識と行動を紹介しました。例えば、国民の7割が環境問題を緊急課題と捉え、対応を求めるデモへの参加意思がある、8割が環境負荷低減のために何らかの消費行動をとっている、9割前後が、企業は消費を煽りすぎる、消費を減らすべき、成長を前提としたこれまでの経済モデルを見直す必要あると考える等です。また、市民が日常的に環境負荷を減らすための行動として、プラスチック等のゴミを減らす、消費そのものを減らす、ものは修理し長く使う、移動手段は徒歩やクリーンなものを選ぶ、オーガニック製品を買う、可能な限り自給自足する、地産地消(流通カット)に切り替える等です。また、こうした動きを後押しする新産業やスタートアップ企業も紹介しました。


その後、特別ゲストの後藤敏彦氏(サステナビリティ日本フォーラム代表理事)より、日本もここ半年で企業、地方自治体、そして政府による動きが加速していること、またこれに呼応した市民の動きの活発化も期待したいとの話がありました。


最後は、立場・職業・年代も異なる多彩なセミナー参加者も交え、西洋に対する日本人の自然観、今後の議論として「地球(自然)の再生には、格差問題など社会(人)の歪みも修復する必要があるのでは?」「歴史的に世界でもユニークな自然との付き合い方をしてきた日本(人)は、世界の環境問題に果たせることは多いのでは?」という2つのテーマが提示され、活発な意見交換がなされました。参加者から同テーマの議論を深めるため継続開催してほしいとの声があがりました。



#サステナブル #フランス #市民意識 #オーガニック #日本とフランス

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